通常、海外との貿易取引で輸入する商品には関税が課せられるのですが、
その商品の原産地によって、関税が免除されたり、
通常の税率よりも低い関税率の適用を受けたりして、輸入できる制度があります。
それが、「特恵関税制度(GSP: Generalized System of Preferencesの略)」です。
輸入者側からすると、関税を支払わずに済むお得な制度のように感じられるかもしれませんが、この制度は、開発途上国または地域を原産地とする特定の輸入品について、
一般の関税率よりも低い税率または無税(関税0円)にすることで、これらの国々(または地域)からの輸入を促進させ、経済発展を支援する目的で設けられています。
特恵関税が適用される原産地の「対象品目」、「関税率」、「国または地域」は、
法令※によって定められているのですが、「対象品目」には、農水産品や鉱業品があります。(すべてではありません。「関税率」は品目ごとで異なります。)
ちなみに、この特恵関税の対象となる国は、「特恵受益国(または地域)」と呼ばれ、2018年5月現在、138の国がその対象となっています。
また、その中でも、47カ国の後発開発途上国(LDC:Least Developed Countryの略)
からの輸入については、ほぼすべての品目が無税になります。
(これを「特別特恵関税」といいます。)
ただ、これらの特恵関税の適用を受けるためには、
原則として、輸出国で発給された「原産地証明書(C/O: Certificate of Originの略)」が必要です※。
※「原産地証明書」に加えて、その貨物が他の国・地域(非原産国・地域)を経由せず、直接、日本へ向けて運送されること(直送条件)も必要です。
ちなみに、日本で適用される原産地証明書は「一般特恵制度原産地証明書様式A(Generalized System of Preferences Certificate of Origin Form A)」という名称のため、フォワーダーや貿易に携わる業者のあいだでは、「Form A(フォーム・エー)」ともよく呼ばれています。
もし、近いうちに、貿易業務に初めて就く方がいらっしゃったら、ぜひ覚えておいてくださいね。参考までに以下リンクにて確認してください!!
★☆税関ホームページ☆★
特恵関税制度の概要
URL:http://www.customs.go.jp/tetsuzuki/c-answer/imtsukan/1501_jr.htm
特恵適用国・地域一覧
URL:http://www.customs.go.jp/tetsuzuki/c-answer/imtsukan/1504_jr.htm
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